原子を組み合わせて、分子を生成して勝負する、化学を題材にしたカードゲーム。
2種類の遊び方があり、2人用対戦ゲームとしては、手札を組み合わせて役を作り、先に手札を無くした方がそのラウンドに勝利する、というもの。


そのため、おおむね難しい役の方が高得点であるものの、高得点であることよりも、多くの手札を消費する=上がりが近づく、ということが重要。

というのは、どちらかの手札が無くなった時点での点数を比較するのではなく、先に手札を無くした側だけが点数を獲得し、手札が残っていた側はそのラウンド中にどれだけ役を作っていても0点、(そうしてラウンドを重ねて、最終的な勝者は先に200点を超えたプレイヤー)というルールなため。


各ラウンドの流れは、手番プレイヤーがカードを1枚出し、非手番プレイヤーはその1枚と自分の手札とで役を作れないか検討。そうして、非手番プレイヤーが役を作ることが出来れば、非手番プレイヤーが得点して手番交代。逆に非手番プレイヤーが役を作らなければ、手番プレイヤーが最初に出した1枚をそのまま得点として再度手番を行う。という流れ。
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(手番プレイヤーが「C」を出し、それに対して非手番プレイヤーが「O」を出すと、非手番プレイヤーが「CO」を得点として獲得、という流れ)

初期手札が8枚なのですが、最大枚数の役が8枚なため、「手番プレイヤーが1枚出し→自分の手札から7枚を使用して8枚の役を完成→手番交代して最後の1枚を出し→手札が無くなったのでこのラウンド勝利」という展開もあり得、手札運は強め、また後攻有利となっています。(そのためか、年齢が上の人が先手というルールになっています。)
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ゲームとしては、役の内訳の表記がやや見難い(何が何個という書き方ではなく構造式表記なため)、点数バランスにやや偏りがある(点数=質量なため)、といった難点はあるものの、化学に親しむという面からすると、ゲーム独自の数値が設定されていないことも、正確な表記がされていることも、化学の知識が身に付くことでプレイし易くなる良い点に感じます。
点数バランスも分子の質量は変更出来ないことを前提として、原子の枚数でバランス調整をしていることが見て取れ、良いゲームデザインに感じました。

特に、1枚しか無い「Fe」の存在がゲームとしては肝だと感じていて、手番に「Fe」を出した場合「O」か「C」1枚で相手に得点されてしまうので、相手が「O3」ではなく「O2」を出したのを見てから「Fe」といった流れや、自分の手札に「Fe」が無い=相手に「Fe」があるかもしれないので手番に「O」「C」を出すのを控える、といった駆け引きに繋がっています。
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この2人専用対戦ルールとは別に、神経衰弱風の2-4人用ルールがあり、こちらは裏向きに並べられたカードを1枚づつめくっていき、役が出来れば得点を得て手番交代、役にならない組み合わせになったら得点無しで手番交代、というシンプルなルール。

とはいえ、2枚の役をめくれても、3枚の役、4枚の役、……、と無得点になるかより高得点を目指すか、というチャレンジを重ねることが出来るのが面白いです。

役は2人用ゲームと同じなので、同様に構造式表記で見難いという点はありますが、神経衰弱+αのルールで、小さい子供でも遊び易いのが良いですね。




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